• テキストサイズ

闇に咲く華

第2章 本編1〜70


1歩、また1歩と近づいてくる松永が少し怖くて
小太郎の後ろにしがみ付いた

「おや、妬けるね」
「本当は何の用?」

さっきのは建て前だよね、胡散臭かったもの

「信長公に当てつけてあげようと思ったんだがね。時間切れの様だ」

そう言った瞬間に部屋の左右の襖が吹っ飛んで出てきたのは、黒羽と雹牙が婆娑羅全開で松永に仕掛け
いつの間に抜いたのか自身の剣で2人の攻撃を受け止める

「卿らも見ない間に大分強くなった様だね」
「ほざけ松永!」
「姫様を返して頂きます!」

避けられた攻撃から黒羽は足元から茨の鎖の様な闇の婆娑羅を出して松永に巻き付け動きを封じて。

「っ!」

雹牙が松永の鳩尾に蹴りを食らわせ、私から遠ざける様に吹っ飛ばす

あ、ここ一階だったのか。松永が吹っ飛んだ後にはまあ、綺麗なお庭
何でまた私がすぐ逃げれる様な所に寝かせてたのか訳がわからん

「(市)」
「なあに?小太郎」

さっきの、濡れた手拭いを渡され

「(眠ってる間に、松永に…首に付けられた痣を拭っておけ)」
「へ」

どこに付いてるのかと聞いてみたら、え!?首筋?
鏡を借りて確認してみると…ちょいまて

「こ、こここ、小太郎」
「(大丈夫だ、それ以上の事はされてない俺が阻止した)」

なんっで首筋にキスマークついてるかなあの椎茸!
ごしごしと拭って消毒消毒!

えーんと小太郎に半泣きで抱き着いたら背中をポンポンと叩かれた
吹っ飛んだ松永は三好に回収されて、黒羽と雹牙が私の異変に気づいてさっと来てくれて
首元の痣を確認して…目の色が変わる

「風魔これは?」
「姫様、大丈夫です。松永は撤退致しましたので」

うんありがとう。でも私の頭の中はショックでいっぱいなんです
つかつかと誰かが歩いて来る足音がして、涙目でその方を見たら元就と三成が居て。

「風魔戻れ。小田原は無事ぞ」
「松永め逃げたか」
「(市の首元を)」
「「?」」

小太郎~!キレたら怖い人に見せないで下さい私は涙目なのに

「なっ」
「(この後のは流石に全力で止めた)」
「松永ァァァァアアァァ!!」
「はぁ、でかした風魔」

三成が顔真っ赤にして恐惶で追いかけてったのに驚いて、ちょ・・・三成?

「信長公には早馬で言づけておる」
「うん、ちょっと帰るの怖い」

小太郎の胸に顔を埋めて・・・勝手に出る涙が止まるまでしがみ付かせて貰った
/ 334ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp