第2章 本編1〜70
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ふと意識が浮上して、目を開けたら・・・知らない天井?
大阪城でも元就、元親、晴久の城でもない。はて、確か・・・
あ、そうだ。私小太郎に攫われたんだっけ。ああいう表情の小太郎は不本意な命の時
ならば氏政さまじゃなく。もう1人、小太郎を傭兵として雇う人物
一人しか居ないじゃないの。私ってばすっかり忘れてたわ。あの人物。
むくりと起き上って、身の回りを確認したら、とくに取られてる物も無い。
小太郎がすぐ逃げれる様に触らないでくれたのかな?
長いこと眠ってたせいか目がしぱしぱ、ぐりぐりと目を擦ったら
濡れた手拭いを持って小太郎が横に現れた
「おはよ、小太郎」
「(何も聞かないのか?)」
「んー、じゃあ1つだ…」
んぎゅー、濡れた手拭いで顔を拭かれて、声出せないってば。
「ぷは、ありがと」
「(怒ってないのか?)」
「質問を質問で返さない、怒ってないよ。氏政さまを、北条を人質に取られた?」
そう質問したら小太郎の顔が強張る様に固まって、ビンゴか
という事はここの椎茸髷を何とかしないと小太郎は解放されないね。
ねえ?そこに居る松永さま?
闇の手でスパンと襖を開けたら、予想してたのか満足そうに、あくどい笑みを含ませて。
「流石、尾張の傾国の美姫。美しさもさることながら頭も回る。実に興味深い」
「貴方に褒められても嬉しくない、小太郎を解放してくれる?」
「自分の身の心配よりも風魔の心配かね?安心したまえ卿を連れて来たならば契約は解除と言ってある。何故か卿の傍を離れようとしなかったがね」
私を庇う様に座る小太郎の頭をポンポンと叩く
契約が終わっても心配して見ててくれたんだね、ありがとう。
「成程、姫は風魔をも手玉に取ったか」
「人聞きの悪い事言わないで、小太郎は友達だもの」
「忍が友とは、面白い事を言う」
「馬鹿にしてるでしょう?」
「どうだか」
思い切り辛辣だねぇとしょんぼりしても可愛くありません
「市に何の用?」
早く帰らないとこの城、消されちゃうけど。主に兄さまに。
あー、幼馴染み…っていうか三成の目の前で攫われたから皆に伝達されたね
これは小太郎と2人で説教コース行きだ。
「何、初めて会った時以来。あの子供がどう美しく成長したか見たかっただけだがね」
「変な人」
思いっきり本音を当ててやったらくっくっくと笑って。え、何か怖いんだけど。