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闇に咲く華

第2章 本編1〜70


18

小田原へ入ってからは、小太郎は先触れをすると言って先に帰って行った。
小田原城が見えてきて、城門の近くまで行くとこちらに手を振る方?・・・じゃない!
お殿さまが何で城門まで迎えに来てるのおおおお!?

急いで馬を走らせて氏政さまに近づいた。

「よう来た、ちと急かした様ですまんのう」
「う・・・氏政さま・・・わざわざお迎えありがとうございます」
「ここで挨拶もなんぢゃから城へ上がると良い良い」

ほっほっほと笑って城門をくぐる氏政さまに続いて、私達も小田原城へお邪魔させて頂いた。

「(済まない、市。どうしても氏政様がでると・・・)」
「うん、分かってる、止められなかったのね」
「(こくこく)」
「自由な主ですと大変そうですねえ」
「苦労するな・・・」

君達、地味に私の事を言ってませんかね?悪かったね自由過ぎる主で!

氏政さまに着いて行って、到着したのはお殿様が政務を行う広間
城も大きかったけど、お部屋も大きいなぁ

「さて、よく来てくれたのう、ワシは北条氏政。小田原を統治してる爺ぢゃ」
「織田信長が妹、市です」
「付きの忍、黒羽と申します」
「同じく、雹牙と申す」
「そんなに畏まらなくて良いぞ、ワシの事は爺とでも呼んでくれ」

んな無茶振り止めてくださいお爺さま。小田原の守護大名にそんな言い方できませんってば!

「駄目かのう?」
「お爺さま・・・?」

思い切って言ってみたら頭を優しく撫でられた。

「カカカッ。愛い愛い、孫が出来た気分ぢゃ」

何か随分とご機嫌ですね、何かあったのかな

「そう言えば、上杉に婿として行ったお孫様が帰って来たとお聞きしました」

用意された客間にて疑問をぶつけてみたら、あら、お孫さま夫婦が北条へ戻って着ちゃったの?

「何でも後継争いに巻き込まれ、見かねた軍神が北条へ帰るように進言したらしい」
「あー・・・何かそんな話、聞いた事あるかも」

お館の乱だっけ?なんだっけ。結果、人質の影虎さまが亡くなられるんだっけ。
もっと歴史勉強しとけば良かったなあ。

「小太郎、黒羽と雹牙の言った事で合ってる?」

ちょうど客間へ、お茶を持って来た小太郎に聞くとこくりと頷かれた。そうなのか。
というか君がお茶持って来てどうすんの、女中さんのお仕事取っちゃだめでしょ・・・
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