第2章 本編1〜70
真田の皆様と挨拶をして、相模の小田原城に行こうと上田城を出た所で、小太郎が待っていた。
「あれ、戻ったんじゃなかったの?」
「(此処からは俺も供に行く)」
そう言ってくれたのが嬉しくて。
頭ぐりぐり撫でられたけど、昔みたいに一緒に行ける事が嬉しかった
小太郎ってば中身そのままで、身長だけ伸びたみたいな感じ。
年上なんだけど、こう言うお友達も良いよね。
「まさか本当に5代目の風魔小太郎になるだなんて」
「・・・お市様の言った通りだな」
「(?)」
「いや、気にするな」
小太郎が私の馬に乗って、手綱を引いてくれ。
私は何故か小太郎と一緒に乗ってるのは何でだろう。楽だからいいけど
「氏政さまって、どんな方?」
「(民を思いやるお優しい方だ)」
何故か自分も孫のように扱われる、と聞いて私たちは苦笑い
うちと環境が似てますね。
「(この髪と目を見て、あの方は市と同じく綺麗と仰って下さった)」
「良い主さまで、良かったね」
慣れてないせいか。なかなか実感が湧かないらしく、小太郎は首を傾げる。
「良い主に付ける、それが忍の幸せと、そう言うものだと思ってください」
黒羽の言葉に、小太郎は黙ってこくりと頷いた。