第2章 本編1〜70
「どうする、お市様」
「市は、いいよ?」
「だそうですよ?佐助」
「了解ってね、このまま上田まで案内するよ」
何か上田行きが決まったけど、まあいいか。城下でお団子でも買って幸村に会いに行きましょうか。
「え、お土産?俺様出すからいいのに」
「佐助、薄給の人に買わせる程。市、鬼じゃないわ」
そう言ったら全力でOrzのポーズをされて、黒羽と雹牙には哀れみの目で見られてた。
「お前・・・そんなに貰って無いのか・・・」
「言わないで・・・雹牙の旦那・・・」
「私達はXX(ピー)くらいですが・・・」
「黒羽の旦那何その額!?風魔の旦那以上じゃね!?」
流石尾張・・・と煤けてる処悪いんだけど、お土産受け取ったからそろそろ行くよ?
この世界の佐助の薄給は事実なのですね、何となく言った言葉が佐助にグッサリ刺さった様です。南無南無。
「はい、上田城に到着っと、3名様御案内ってね」
城門の所で馬から降りたらドドドドドド・・・と地鳴りみたいな音が聞こえて。
思わず佐助の手を思いっきり私の後ろに引っ張った
「さぁぁああああすぅぅうううううけぇええええええ!!」
紅い物体が佐助の居た所を通過してったけど、当たってないね?よし。
「旦那!?姫さん助かったよ・・・」
「幸村、佐助が死んじゃう」
「む、まさかお市殿!?これは見苦しい所をお見せした!」
いや、見苦しいどころか私は殺人現場を見そうになったんだけど。
「幸村、落ち着いて?佐助は、市を此処に案内してくれたの」
「成る程!そうでござったのか!」
佐助、半泣きになって「姫さん助かったよ・・・」とか言わないの、凄く不憫に思えてしゃーない。
「幸村、遊びにきたよ」
そう言ったらぱああと幸村の顔に笑顔と言うよりもワンコなんだが・・・見えぬはずの柴犬の尻尾が見える・・・
「よく来て下さった!さあ、中へ案内致す!」
黒羽と雹牙が幸村を呆れた目で見てるのを見て、佐助が何か一生懸命2人に謝ってた。