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闇に咲く華

第2章 本編1〜70


15

ぐずるいつきちゃんを抱きしめて、馬に乗って甲斐を抜けて尾張に帰ろうと馬を向ける

「いつきちゃん、可愛かった」
「まさか氷の婆娑羅持ちとは思いませんでしたがね」
「また俺が教えるのかと思ったが、上手く扱えてる様だな」

毎朝政宗達と稽古を始めたいつきちゃんが政宗とガチで婆娑羅対決すると思わなかった。
結局は2人で正座して小十郎さんに説教されてたけど。一揆の時に婆娑羅者だって分かってたみたいですね。

更に驚いたのは義姫さまも氷の婆娑羅者でした。流石最上の鬼姫様。
あのエセ紳士の妹とは思いたくもない。

「姫様、もうすぐ甲斐に入ります」
「うん」

甲斐と言ったら弁丸…じゃなくて、幸村と佐助かぁ
昌幸さまと信之さまもお元気かしら。

伊達家と同じくあれから会ってないのですよ。
元就とか晴久、元親はわざわざ尾張まで遊びに来るんだけど。
元親…私の姫ちゃんを返して。姫ちゃんの面影が無くなった時に遊びに来たから
思わず「市の姫ちゃんじゃない」って言ったら泣かれた

スマンかった、元親…あの姫ちゃん姿はけして忘れない。

ふと横に居た雹牙が馬の上から消えて、木の上から争う様な音が聞こえて

「?」
「おや、少し腕を上げた様ですね」

黒羽がそう言った直後に何かが上から落ちてきた。あ、迷彩服だ。

「ってぇ…雹牙の旦那ほんとに何者!?何でそんなに強いのさ!!」
「お前が未熟者だからだろう」
「これでも腕上げたってば!」
「・・・佐助?」
「お久しぶりですね、猿飛佐助」

あ、やっぱり佐助だったのか。今回気配が気付かなかったよ
腕を上げたんだね、感心感心。

「黒羽の旦那も姫さんも久しぶり」

ちょっとボロボロになってるけど頭や服に着いた葉や土をパパっと払って。

「竜の旦那のとこ行ってたんだって?」
「おや、情報を掴まれてましたか」
「あのね、行きに姫さん達が甲斐を通過したら嫌でもバレるってば」
「それも、そうね」

私達って目立つみたいだからなぁ、バレたのが佐助で良かった。
いや、バレて困る相手って居ないから別に良いか。

「何か用?佐助」
「んー、伊達に行ったんなら真田の旦那の所にも遊びに来ない?ってお誘い」
「馬鹿かお前」
「雹牙の旦那辛辣!!」

何か、雰囲気少し変わったね、佐助。「いやー、姫さん綺麗になったねー」って言うのは恥ずかしいからちょっと止めようか。
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