第2章 本編1〜70
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昨日はめでたく、いつきちゃんが伊達家の一員となり。
末娘として可愛がられてます。
でもやっぱり同じ女の子との方が話は進むみたいで・・・
タタタと小さい足音が聞こえて私達の部屋の襖が開く
「市姉ちゃん!」
「いらっしゃい、いつきちゃん」
「その兄ちゃん達誰だべ?」
そういや黒羽と雹牙の事紹介して無かったですね
「この2人は市のお兄さんの忍」
「黒羽です」
「雹牙だ」
「忍の兄ちゃんだかー、羨ましいべ」
「いつきちゃんの、お兄さんもいるでしょう」
実は、いつきちゃんの供にと黒脛巾の長、時雨さんが着いたと義姫さまから聞いたよ?
何でも、私の様に育つようにと願いが込められたんだそうだけど。
ごめん、私この性格めっちゃ素なんですが。
「時雨さん、出てきていいよ」
天井裏に声を掛けたら、いつきちゃんの隣にスっと降りてきた
「お久しぶりでございます、市姫様」
「わ、時雨兄ちゃん居ただか!?」
いつきちゃんはまだまだ気配に疎い様で、居ることに気がつかなかったみたいね。
「市姫様と黒羽殿、雹牙殿には大層世話になりました」
「もう、気にしなくていいよ」
「いつき、市姫様に会いたいのは分かるが走るな」
「ごめんだよぉ」
もうすっかりお兄ちゃんですね時雨さん!
以前暴露して下さったんだけど、あの件以来
黒羽や雹牙に憧れているみたいですよ。
正直に言おう、黒羽と雹牙はまるで私のとーちゃんとかーちゃんです。
「いつきちゃん、今日は何を教えて欲しいの?」
「あのな、政宗兄ちゃんには内緒にして欲しいだ」
ん?政宗には内緒?いつきちゃんが私の耳元でこしょこしょと
「政宗兄ちゃんの、眼帯作って贈り物にしたいだよ」
何て可愛いお願いですか、政宗羨ましいな。
「じゃあ、今日はお裁縫、ね?」
「うん!」
最近こうやって習い事しに来るんだけど、結局は義姫さまも来てわちゃわちゃ。
私そろそろ要らないんでないかい?
昨日それを義姫さまに言ったんだけどね
「まあ、もうちと滞在してくれぬかえ?急に帰ってはいつきが寂しがるであろ」
って引きとめられました。いやもう、いつきちゃん愛されてますね。
今の政宗の眼帯のスペアという事で布製に決めてみたけど。
いつきちゃんが作ったらずっと着けてそうだよなぁ
2~3程余計に作って貰うか。私は元親の眼帯でも作ろう。
