第2章 本編1〜70
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「わぁ、オラこんな綺麗なべべさ着たの初めてだよ」
「ふふ、これはまだ軽いお着物だから、少しずつ慣れていこうね」
普通の着物は多分初めての子じゃ重いし苦しいと思うから
浴衣っぽい軽い着物を用意してあげたら喜んでくれた様で良かった良かった。
水色の着物がいつきちゃんに似合って可愛いです。
「市姉ちゃん!着付けてくれてありがとさん!」
「どういたしまして」
どうやら馬で相乗りしてる時に色々お話したからか懐かれてしまいました。
まるで妹が出来たみたいで嬉しいです。
「さ、政宗達に見せにいこ?」
「うん!」
いつきちゃんと手を繋いで、さあ広間に行こうか。
声をかけて襖を開けたら、輝宗さま、義姫さま、政宗、小十郎さん、政道、成ちゃんが居て・・・
ちょっといつきちゃんが緊張したのか私の後ろに隠れちゃったので頭を撫でた。
「Prettyだな!いつき!」
「可愛いですよ、いつき」
「うんうん、こっちおいでよ」
「皆居るから、恥ずかしいみたい」
「い、市姉ちゃんごめんだよぉ」
いやいや、この面子の前で堂々と出られたら凄いって。
すっと輝宗さまが立ち上がって、こちらに来て。私の後ろに隠れてたいつきちゃんを抱き上げた。
「おお、随分と可愛らしく着飾って貰ったな!いつき、政宗の父となる輝宗だ。お前の父にもなるぞ?」
「わ、て、ちち・・・うえ?」
「無理に父上と呼ばぬでもいい、そうだな。"父ちゃん"と呼んでくれていいぞ!」
「ほほほ、それなら妾は"母ちゃん"とでも呼びやれ」
伊達家ってほんとフリーダムですよねー、いつきちゃん驚いて固まってますよ?
流石小さい頃私に「母と呼んでも良い」発言した義姫さま。