第2章 本編1〜70
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こんにちは、今日は何故か政宗のおうちにお邪魔してる市でっす。
何でお邪魔してるかというと私にもワカラン。
急に文で「ちょっと相談したい事があるからカモン!」みたいに書かれてて、気になったから来てみました。
10歳の時ぶりだから6年か、月日が経つのは早いもんだ。
今は女中の方に案内されて客間に着いて寛ぎ中。
馬でかっ飛ばして来たからねー
3人分、お茶を貰って黒羽と雹牙と雑談してたら、すんごい速さで来る気配が3つ!
何だ何だと思って襖の先に注目してたらスパーンと開いた先には
「お市!!」「市さん!!」「やっほー市!」
・・・義姫さまと、元服した政道くんと成実くんが飛び込んできて
ぐえっ!義姫様がタックルかます様に抱き締めてきました!
「久し振りよのうお市や、ほんに美しくなって」
「わあ、市さん綺麗になりましたねー」
「ちょ、義姫さま市の首絞まってるから!」
「あ、済まぬのう」
「ごふっ、いえ・・・」
相変わらず台風の様な元気さの伊達一家に安心しました!
って言うか義姫さま変わってないですね、お美しい。
「あれ、政宗は?」
「ああ・・・あの子は・・・」
「梵は政務溜め込んじゃって、今は大殿と小十郎の監視の下で・・・」
「察した」
「すみません市さん、折角来て頂いたのに」
まあ、のんびりする気満々だったから時間はあるけど。
2刻ほど義姫さまと政道、成ちゃんと話してたら、ゾンビの様に這って政宗がやってきた。
「Welcome.市・・・」
「政宗、生きてる?」
その政宗の背中を潰す様に足蹴にして輝宗さま登場。
「Shit!このクソ親父!」
「ん?何か踏んだか?おお、暫く見ないうちに美しくなったな市姫!」
「輝宗様・・・」
輝宗さま・・・この数年会わない間にずいぶんお茶目さんになりましたね。
倒れてる政宗ふんずけて来て小十郎さんの呆れた言葉を無視しちゃったよ・・・
「お久しぶりです、輝宗さま」
「黒羽も雹牙も男前になったな」
「いえ、私達は・・・」
「大して変わらない」
そういや私は政宗に呼ばれて来たんだよね。