第2章 本編1〜70
09
宗麟ちゃんを宥めたあとずっとベッタリ貼り付いて剥がれなかった
まあ、寂しかったんだなと思って甘えさせておいた。
その宗麟ちゃんももう帰っちゃったけど「また来ます!」と言ってたからすぐ尾張に来るでしょ。
「竹中さま、お騒がせしました」
「いやいや、市姫も大変だったね」
そりゃあ、大阪城から出たら出雲経由で安芸に寄って4日間缶詰
ザビーさんとこに行ったら宗麟ちゃん居なかったし、そのまま爆走して大阪城に戻ってきたからね
元就も晴久も、事態が収束したので安心して帰っていきました。
私?流石に疲れたので、また大阪城でお休みさせて頂いてます
吉継の部屋でのんびりしてたら三成と左近くんが来ましたよ
「市、疲れたならきちんと休め」
「ううん、皆と一緒に居る方がいい」
「ヤレ、無理をしてくれるな」
そう言いながら吉継も三成も甘やかしてくれるよねーって左近くん何で顔青いの?
「三成様と刑部さんが優しい…!」
「どう言う意味だ貴様」
左近くん…そういうのは心の中で呟くものだよ?口に出したらほら、吉継の数珠飛んでった。
「いっでえ!刑部さん酷い!」
「ヌシが阿呆な事を申すからよ」
まあ、こんな騒がしい日常も良いよねぇ
「市、黒羽と雹牙はどうした」
「もう少しここに滞在するって、兄さまに報告と政務持ってきて貰おうと思って」
お使いに行ってもらってますよ、と伝えたら「そうか」と納得したのか私の頭を撫でて向かいに座る
皆私の頭撫でるの好きだよね、そんなに子供っぽいかな。
知った気配が部屋に近づいて来たので机に突っ伏してた状態から背筋を戻し
グダグダしてたら怒られちゃう
「吉継君失礼するよ、市姫。疲れてる処悪いんだけど南蛮の貿易について相談したい事があるんだよね、今いいかい?」
「自室に、行く?」
「いやここで良いよ。吉継君ちょっと部屋借りるね」
「あい、寛ぎやれ」
「織田の姫さんに貿易について聞くんスか?!」
左近くんびっくりしてるけど、ああ、そういや私も政務してるって知らなかったっけ?
三成、別に馬鹿にされた訳じゃないんだから睨まないの、左近くん脅えてます
「相談、なあに?竹中さま」
「実はちょっと南蛮の商人から品物の輸入の話があってね、僕と一緒に通訳と相談役として来てもらいたいんだ」
別に構わないけど左近くんそんなに意外だったか、顔が百面相してる