第2章 本編1〜70
「久しいよな、市よ」
「邪魔をする」
「いらっしゃい、吉継、三成・・・その人は?」
何だろう、腰にあるのは双剣なんだけど、地毛が赤くて茶色い?珍しい子だなあ
「アンタが織田の姫さん?俺は三成様の過ぎたる者、島左近ってんだ、宜しくな!」
「左近!貴様ァ市に向かって無礼は許さんぞ!」
「え、ちょ。三成様いきなりキレないで下さいっでば!!」
何だろう、島左近って軍師だよね。こんな子でいいのかな。
「織田信長が妹、市です」
ぺこりと左近くんにご挨拶したら
「こんな奴に礼儀を尽くさんでいい、市」
「三成様酷い!」
「三成、部下が、できたんだね」
「フン」
何だろう、三成って寺で会った時から私に無礼を働く人を黙らせる様になったよね。拳で。
左近くんが後ろに控えてる勝家を見やる。
黒羽と雹牙?お茶とケーキ取りに行ったよ?
「そちらさんの名前、聞いても良いっすか?」
「私の事か?」
「他に誰が居るってのさ」
「私は・・・柴田勝家」
「柴田だと?」
三成~、ちょっとまって抜刀しないで。謀反を起こした人ってのは覚えてるのね!?
「あー、織田に謀反起こしたって奴か」
晴久あああああ!追い討ちをかけないであげてー!
「今、市の所で、更生中」
悔いてるからね?ちゃんと更生させますからね?
「次、織田を裏切ったら斬滅してやる」
三成の手を掴んで必死に抑えてたら、私が必死なのが分かったのか力を抜き、刀を鞘に納めた。よ、よかった。
「あんた・・・」
「?」
「昔の俺を見てるようだ」
ん、左近くんにも色々あったのかな。目の前に居る三成にこっそり聞いたら。
故郷を焼かれ、1人自暴自棄になってた時に三成と会って。
戦いに勝ったと思ったら着いて来たんだそうだ。
それを拾った三成も三成だなぁ。わんこじゃないんだから。
でも、勝家と左近くんを見てると、勝家・・・良い方向に行きそうだね。
これから遊びに来てもらおうかな。