第2章 本編1〜70
03
織田の傘下に居た柴田勝家が謀反を起こしたのはつい先日
だけど兄さまが返り討ちにして、従僕となった柴田勝家の表情は無くなった。
まるで、人形の様にただ命だけを遂行する。自分の判断は無い。
そんな彼に私は哀れだと思ったので、兄さま。抗議しに行ってもいいですか?
「今の勝家の姿、見てられない」
光秀と、義姉さまと、兄さまの前でどキッパリ言い放ちました!
「でもお市?あの子は上総介様に逆らったのよ?」
「謀反起こしたのは勝家だけじゃないでしょ?義姉さま。松永さまはどう言い訳するの?」
「んふふ、あの人形に魂をお入れになるおつもりですか?お市様」
「人形って、言わない。光秀」
あの子が人形だと言うのならば貴方も立派な変態ですよね!
「若気の至りとも言うでしょ、兄さま。それは兄さまも身に覚えがあるわよね?」
「むう・・・」
皆兄さまのお友達・・・友人のお父さま方から聞いたからね?若い頃の色々なお話。
「輝宗さま、殴り飛ばしたんだって?」
「む・・・」
「下手したら外交問題なのに色々しでかしたって?」
「・・・」
「義姫さま、叱り付けたんですって?」
徐々に黙り込む兄さまに最後に。
「市も、兄さまみたく誰かを助けようとするのは駄目?」
「お市ったら・・・」
「んふふ、これは反論できませんねぇ。信長公?」
空気的には勝ちました。兄さまの目をじーっと見てたら。兄さまちょっと涙目ですね
言い過ぎたかなぁ。
「市ぃ」
「なあに?兄さま」
にーっこり笑って続きを待ってたら
「・・・柴田はうぬの好きにせい」
「兄さま、ありがとう」
勝ちましたー!やったぁ。兄さまは私に甘いのだと確信しました。
まあ、だからってどうこう言わないんだけどね!兄さま大好き!
え、脅してる時点でおかしいって?それは言わないで欲しいなぁ