第2章 本編1〜70
「お市様、良かったのか?」
「まだ、言い足りない」
「そうではなくて・・・」
何が嫌だったって、兄さまは面白がって魔王と言ってるけど(実際魔王っぽいし)
忍を、黒羽と雹牙を悪だと言い切ったあの言葉が許せない!
「あー、もう!」
帰り道、ムシャクシャしてたので逞しい木に全力でパンチしたら折れた!やば、力加減ができてない。
「落ち着け、お市様」
「・・・あのヒトに嫁ぐなら幼馴染みの誰かの所に貰ってもらう」
「確かに姫様の性格上、合いませんねぇ」
大好きな人を3人も貶されて黙って居られる程お淑やかじゃないからね
「交流の無い人との縁談は、もういい」
「全く、貴女と言う人は」
説教は今は受け付けません。
帰って兄さまに事を全部伝えたら大笑いされて
「うぬが気に入った者に嫁ぐが良いわぁ」
流石兄さま、いつでも味方で居てくれてありがとうございます。
ふう。兄さまに話して少し落ち着いたかな。