第1章 幼少期
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初対面から数日・・・
同盟の条件として、今川さまのお城で数日過ごす事になりました。
いや、滞在は別にいいんだよ?いいんだけどさ
「ふむ、この水車とやらがあれば民ももっと楽になるな、市姫は聡い子だ」
ぶっちゃけ前世の某アイドルの村と島の番組見てて、それを偶然覚えてただけで
私はこんなのが欲しい、と言ったら兄さまと職人さんが実現しちゃったんだもの。
因みに義元さまの部屋でお話してます。義元さまの素顔がイケメン過ぎて目が痛い。
私はなぜ義元さまに頭を撫でられているのでしょうか
とりあえず話のタネとして各国に渡った時のお話をしたらそれはそれは喜んでくれた
「その年で使いで旅とは、兄妹は仲が良いのだな」
「うん、兄さまは優しい、よ?」
「此方の忍からも各国の情報が集まってくる、全て市姫のお陰だったのだな」
義元さま、化粧してる時とスッピンの時との話し方が違い過ぎて驚きです
「義元さま」
「何かな、市姫」
「どうしてお化粧をして、素顔を隠してしまうの?」
単刀直入に聞いてみたら少し悲しそうに目を伏せて
「余はな、今川の5番目の男だからな、元々寺にて修行をしていた僧であったのだ」
嫡男じゃ、なかったのですか。
「嫡男の兄に呼ばれ、駿河に戻ったのだが。兄が2人、病に倒れてしまってな。急ぎ余に家督が回って来てしまったのだよ」
そう言い、義元さまに頭を撫でられる
「この顔のせいで馬鹿にされたく無くてな、表情を隠す化粧をし、今までやってきていた」
「あの口調は?」
「ん?ついでに始めてみた茶目っ気だ」
お茶目さんですね義元さま!!確かにマロ化粧は表情を隠す為のフェイクにもなるけど
家臣さんはもう全て知ってるんじゃないの?