第1章 幼少期
「お受け取りしましょう、お初にお目に掛かる。私は太原雪斎、義元様の教育係にして今川の重臣だ」
文を受け取った今川さまはその場で読み始め
「ふむ、まさかそちから同盟の話が参るとはの」
「市が提案しました。無駄な血は出したくない、と」
「それを信長公が許可するとは、市姫は相当大切にされているのう」
兄さま過保護ですからね…
「此れを飲むには条件があるでおじゃ」
条件?
「客人として持て成す故、数日滞在して貰えぬか?」
「それが、条件?」
「何、姫君の人となりを見て見たいだけでおじゃ、竹千代は此方にて雪斎の教育を受けてもらうでおじゃ」
「あ、あの。ワシは此方に人質として来る予定だったのでは」
「織田と同盟が決まれば人質の意味は無いでおじゃる。成らばここで雪斎の教養を得て松平家の後継ぎとして修行を積むでおじゃ。松平には余から文を出しておこう」
「あ、ありがたい。感謝致します」
あれ、何かお話が変な方向に向かってるけど、結果オーライ?