第1章 幼少期
「松平の裏切った方って?」
「わからねえ、義元公の所に行くはずだったんだが・・・」
ま、情報はお兄さん達の方が詳しいよね。
「黒羽、雹牙、知ってる?」
天井裏に声をかけたらすっと降りてきたので竹千代の肩が一瞬跳ねた
「その松平の子が差し出された際に、信長公に斬られている」
「そ、そうなのか?」
「なら、今川様の所に送ってあげても支障、ないわね」
「お前ぇ、本気か!?」
「兄さま、好きにして良いって、言ってたし?」
そう言ったら竹千代がガックリと項垂れました。本気ですよ?私は。
「行くならば俺達よりもお市様が行った方が信用は得られるな」
「うん、市が送ってあげる」
「なっ、敵の陣に1人で飛び込む気か」
「竹千代殿、姫様は一度決めたら梃子でも動きませんよ」
分かってるじゃないか黒羽さんや。それにここで今川の信用を得て同盟でも組めればもっと良いし。
兄さまに同盟を求める文を書いてもらおうかな、無駄な争いはしないに越したことはない。
「お前ぇ、変わってるな・・・ワシと同じ年の頃なのに」
「自覚はしてる」
「そこは威張るな!」
「あてっ」
雹牙の愛のツッコミが痛いです。
「・・・お前等、主に手を上げるとか、本当に忍か?」
「一応教育係でもあるので」
「お市様は放っておくと調子に乗って暴走するからな」
きみたち、ちょっと辛辣ですね、否定はできない!
「あははは、面白れぇ!!」
やっと笑ったね、竹千代。
敵陣に向かうけど、さて。何が起こるやらサッパリ分かりませんね
どうにかなるかな。