第1章 幼少期
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「明けましておめでとう御座います」
「あけましておめでとう、市姫は朝が早いね」
「竹中さまも、早いけど、ちゃんと寝た?」
「市姫の言う通りにちゃんと眠っているよ、じゃないと君が怒るからね」
いやぁ、予想外にも黒羽と雹牙が初日の出を見せてくれたものだから
目が覚めて、厨でお重の確認と豚汁作ってたんですよね。
そしたら竹中さまが通りかかったのですよ
「何か作ってるの?味噌汁みたいだけど」
「豚汁って言って、お味噌の味の・・・具沢山のお味噌汁?」
「何で疑問系なんだい?」
「説明が、思いつかなかった・・・」
そう言ったら竹中さまに盛大に笑われた。
仮面してないからお顔が麗しいですよ
「朝餉、楽しみにしているよ」
そう言って自室に戻った竹中さまを見送り、さて。豚汁仕上げますかー
「おはよう市ちゃん」
「ねねさん、おはようございます」
「もうこんな時間に厨にいるの?」
「目が覚めちゃって。明けましておめでとうございます」
「あけましておめでとう、手伝う事ある?」
「あ、じゃあ・・・」
もうすぐ朝ご飯なのでお重を皆で食べる所に持って行ってもらいました。
豚汁は女中さんに運んでもらって。
さー、皆を起こしに行くか。
スパーンと襖を開けて入ったのは私も一緒に寝てた。通称子供部屋!
あれ?松寿丸が居ないと思って庭の方を見たら日課の日光浴でした。
「何処へ行っていた、市」
「厨、ご飯できたよ」
「分かった」
さて次は慶松と佐吉だなと部屋に振り返り2人の元へ向かって
ダイブした。
「「!?」」
「佐吉、慶松。あさごはんー」
「なっ!市」
「市や・・・荒い起こし方よナ」
2人に掛かってる布団ごとぎゅむぎゅむと抱き着いてると、急に浮遊感
「起こしてくれるのは有難いがちと慎みを持ちやれ」
おっと、慶松の婆娑羅で布団ごと浮かされてしまいました。
2人が布団から出た後にゆっくり降ろされる。
「おはよ、佐吉、慶松」
「あい、おはよう」
「・・・おはよう」
「弥三郎と三郎四郎も起こすのであろ?着替えて先に行ってる」
「分かった」
佐吉と慶松に手を振り、正面に向き直り弥三郎と三郎四郎にロックオン。