第1章 幼少期
「姫様、どうされましたか?」
「汗が凄い、嫌な夢でも見たか?」
雹牙が首もとに手を当てて婆娑羅を少し出してくれてるのか冷たくて気持ちが良い
「前の世の、死んだ時の夢」
そう言うと2人の眉間に皺が寄る
「お市様、少し目を瞑れ」
「?」
言われた通りに瞑ったら急に抱きかかえられ一瞬の重力を感じた
「姫様、目を開けていいですよ」
「わぁ高い」
一瞬で大阪城の屋根に移動していて驚いた
冷たい風が汗をかいた所を冷やして気持ちいい
「お市様、あっちを」
雹牙が指差した先には、まだ暗いけど日が昇り始めていた
「初日の出・・・」
「縁起の良いモノなのだろう?」
「姫様、ご安心下さい。私達はもう貴女を殺させはしません」
「・・・ありがとう」
2人の兄の言葉だけでこうも簡単に落ち着くのか
何か少し不思議だけど、心遣いが嬉しくて
無意識に微笑んで居た。