第1章 幼少期
え・・・ちょいまち、松寿丸。弥三郎はともかく三郎四郎はどうやって知り合ったの?
「松寿丸と三郎四郎の接点が分かんない」
「毛利の今の主君は尼子経久だと知らなんだか?」
あれ、そういえば。毛利家って尼子から大内に主君が移って独立するんだっけか!
「・・・忘れてた」
「其方は聡いのか阿呆なのか判らぬな」
「2人は?」
「豊臣と会談中よ、直ぐに来る」
「3人だけで来たの?」
「我は毛利の忍と、弥三郎も三郎四郎も忍と来ておる」
あれ、毛利に忍って居たっけ?うんうんと思い出そうと唸ってたら
「神楽、降りてこい」
「ここに」
「市が去った後に父上が雇った我の忍よ」
成程、私が出てから雇ってたんじゃ知らないのは当たり前だ。
「初めまして神楽さん、織田信長が妹、市です」
「敬称は無用、存じております織田の姫君」
おお、なかなかハスキーな声でドキッとするなぁこのお方。黒い綺麗な髪の男性でございます。
「神楽は婆娑羅者では無い故、市の忍よりは腕は劣る」
「松寿丸・・・あの2人と一緒に、しない」
「?姫君の忍とは?」
「ああ、神楽には話して無かった、黒羽と雹牙という男よ」
神楽さんは2人を知っているのか目を見開き此方を見る
「知ってるの?神楽」
「はっ、名は忍の中では有名で、大きな力を持つ忍と・・・」
何か言い方に違和感が・・・
その時、跪いている神楽の足元にクナイが刺さる。
「・・・っ!」
「毛利に雇われたか、神楽」
「雹牙?知り合い?」
「・・・雹牙殿」
神楽さんの表情に焦りが生じている、この2人は知り合いなのかな
「お市様、ソイツは俺達と同じ里の者だ」
「俺は・・・あの者達の様に貴方達を貶してはいない!」
「ふん、どうだかな。お市様、弥三郎と三郎四郎が待っている、松寿丸も来るか?」
「愚問だ、行くぞ神楽」
「はい、松寿丸様」
なんか微妙な空気だにゃー・・・
「お市様?」
「今行く」
何かすれ違いがある様に見えるのは私の気のせいかな。少し神楽さんとお話してみるか