第1章 幼少期
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「もーいーくつねーるとー、お正月ー」
「3日後よな」
「速攻、慶松からツッコミ、入りました」
はい、浮かれてるのは私1人だけです。
佐吉も慶松も傍で勉学に励んでるのを私が邪魔してます。
「市、貴様の政務は終わったのか?」
「ばっちり、もう尾張に持ってって、もらった」
「それで邪魔しに来たと」
心外だな慶松、私は応援しに来てるだけなんだけど。え、邪魔?すんません。
佐吉と慶松の部屋から追い出されたので
今度は竹中さまとねねさんと豊臣さまの部屋に直行しようかと思った時
「市、久しいな」
え、この声。振り返ったら・・・何で?松寿丸がここに居るの?
「松寿丸?」
「我の他に誰が居る」
え、え?何で?確かに大阪城は尾張より安芸に近いけど。
「家出してきたの!?」
「何故その様な発想になる、阿呆!」
「あたっ」
つかつかと歩み寄られてベシっと叩かれた。
「え、松寿丸の居る意味が本気で、わかんない」
「我だけではない」
「へ?」
「安芸へ行った後、尾張に一度戻るまで何処へ行った?」
「出雲と、四国・・・まさか」
「尼子と長曾我部もおるわ」