第1章 幼少期
「これ、本当に市姫が作ったのかい?」
「まあ・・・どれも美味しそう」
「魚は生でも食せるのだな・・・」
豊臣さまとねねさん、竹中さまが箸を取り食べ始めたところで
「佐吉、慶松も感想お願いね」
「わ、わかった」
「今までの暮らしとはまた一変したよな・・・」
そりゃこの時代、寺ではロクな物食べさせて貰えなかったでしょうね。
もう大丈夫よ、此処はお寺と違う。
「市ちゃん、このあら煮?とつみれ汁とても美味しいわ!」
「昆布で出汁を取っているの?他にもあるみたいだけど、此れは生姜?」
「うむ、良い味をしている」
お褒めの言葉を頂きましたよ、わあい!
佐吉と慶松も無言で食してるので美味しいのでしょう、よく噛んでね
「市姫は何処に嫁に出しても恥ずかしくない程立派だな」
「駄目だよ秀吉、市姫はお嫁に出さないから」
「豊臣さま、竹中さま・・・」
どこのオカンとオトンの会話ですか。
というか縁談決めるの兄さまだからね?暴走しないで下さい。
「いっそ佐吉君と慶松君の許嫁になっちゃえばいいのに」
「「ゴフッ」」
ねねさんの爆弾発言に佐吉と慶松の2人が噴いて、噎せてますよ・・・
「市の、縁談決めるの、兄さまですよ?」
「信長公の壁は高いなぁ」
いや、高いなぁじゃなくて。駄目だ竹中さまの目がマジです。
「半兵衛、決断は未だ早い」
「そうだね秀吉、ゆっくり織田との関係を築いていこうか」
だめだ、此れは何を言っても無駄っぽいからさっさと食べてしまお・・・