第1章 幼少期
包帯を取ったら、うーん衛生管理が悪いのか。アレルギーなのか膿んでるなぁ
「市、水だ」
「ありがと、ここに置いて」
ただの皮膚疾患だと良いんだけど。確か結核と同じ薬でも効果があったはず。
「これ、いくつの時から?」
「・・・約4年前だったか、急に肌が赤くなり段々膿が出てきよる」
衛生面での肌疾患かな、膿みを拭い、消毒をかけて、乾燥させてから包帯を巻く。
「市、慶松の病は治るのか?」
「未だハッキリと断言できないけど、常に肌を清潔に保ってれば、進行は防げそう」
「この液体は何だ?」
「消毒、悪い菌が入らない様にするの」
そう会話してたら覚えのある気配が近づいて来て。入り口の方向を向いた
「?どうした」
すっと襖が開いた先には、竹中さまに豊臣さまにねねさん?
「市姫、ここに居たんだね」
「竹中さま?どうしたの?」
「雹牙君から話を聞いてね、来てみたんだけど今大丈夫かい?」
「どうぞ」
「市、竹中様とは・・・豊臣の?」
あー、そういやこの子達に説明してなかったね。
「一緒にここに訪れた豊臣秀吉さま、奥方のねねさん、軍師の竹中さまよ」
佐吉も慶松も目を見開いて私を凝視する。何だね、一緒に来たのに驚いたの?
「佐吉君と言ったね、済まないがお茶を入れてきてくれるかい?」
「は、はい 只今」
竹中さまと豊臣さまが慶松の傍に座り、私が診た時に使った道具を見る
「市姫、彼は肌の病気なのかい?」
「多分、衛生面が悪くて、膿んでるだけ」
ちゃんと清潔にして手当てしたよと言ったら頭を撫でてきた
「君の名前は?」
「は、慶松と申す」
「随分難しい本を読むんだね、理解できてるの?」
慶松の傍にあった兵法書を竹中さまがパラパラと開いて内容を確かめる
「理解は出来ておりますが、何か・・・」
「君も婆娑羅者なんだね」
「!よくお分かりに」
「何、そこの市姫が教えてくれたんだよ」
「市・・・」
そんな恨めしそうな顔しないの。先に潜入して貰った時に2人が居るのを分かってチクったのは私ですけど。
目の前で三成が有名な三献茶を披露してくれて竹中さまが何かご機嫌だ。
「半兵衛」
「うん、決めたよ。ねねも良いよね」
「ええ」