第1章 幼少期
41
少し雪が降っている中。黒羽と雹牙に少し情報を探って貰って
近江国のとある寺に向かっております。
先日竹中さまと文を交換してる時に、そろそろ子飼いの子でも雇おうかなと言ってたので
大阪城へ赴いて、一緒に向かってます
「済まないね、市姫。つき合わせてしまって」
「平気、暇だったし」
「君らしいね」
え、堺で対峙したでしょってツッコミは無しですよ。
あれからずっと豊臣さまと竹中さまと文のやり取りしてて最早原作崩壊です。
ねねさんも生きてるしナチュラルに豊臣さまの乗る馬に一緒に乗っててラブラブですから
時として女は誰よりも強いのだよ。
それをあの時、目の前で実行しちゃった私が通ります。
「奥州で、その様な事があったのか」
「うん、でも皆無事だったよ」
「市ちゃん、貴女は無事じゃなかったでしょう」
「結果良ければ全て良し?」
「市姫、君ね・・・」
豊臣さま、ねねさん、竹中さまと旅で起きた事をお話してたら呆れられましたよ
「全く、あの時は私も肝が冷えました」
「黒羽君も雹牙君も苦労してるね」
「お市様だからなと、もう諦めている」
「本当に君達は主に対して辛辣だね?」
「市の、お兄さんだもの」
溜め息を吐きながら少し微笑む竹中さま。そういえば
「竹中さま、聞いていい?」
「何だい?市姫」
「最近、咳が止まらないとか、肺・・・胸が苦しくなるって症状無い?」
「何で・・・」
竹中さまが目を見開いて、私を見る
「半兵衛?具合が悪いの?」
「いや・・・あの」
「半兵衛」
「・・・最近、少しだけど・・・その症状は出てるよ」
ねねさんと豊臣さまの言葉に白状してくれた。
「竹中さま・・・治したい?」
「方法が、あるのかい?」
期待した様な眼差しで私を見る竹中さまに、生きたいんだねと、確信を得た
「ここずっと南蛮と貿易してて、医療も色々勉強もしたの」
「本当に君は、年齢にそぐわない知識を持っているね・・・豊臣に欲しい位だよ」
「兄さま過保護だから、それは無理」
大阪城に戻ったら、まずどんな病気か診断してみないと。
冬の間、兄さまから大阪城へ滞在する許可はもぎ取ってきましたよ
ちょっと寂しそうな顔されたけど・・・ここはお友達優先とさせて頂きます。