第1章 幼少期
翌日、高定さんに「付きの方と広間へ」と呼ばれたんだけど
「市姫様・・・雹牙殿を使い壬生綱房を葬りましたね?」
あれ、バレた?
「根拠はおありで?」
「宇都宮城に潜入させてた忍から事を。本人が氷付けにされて死してたと大騒ぎだそうです」
「よく、分かりましたね」
「氷の婆娑羅を持つ忍、都合良く現れた貴女達、そして雹牙殿」
あー・・・都合が良過ぎたかな。失敗。
「余計な事をして、ごめんなさい」
「いえ、こちらこそ。伊勢寿丸様を思ってしてくれた事だと感じております・・・ありがとうございます。これで私の策が実れば、城を取り戻せます」
高定さんは頭を下げてお礼を言い。微笑まれた。
怒られるかと思った、あーびっくり。
高定さん、伊勢寿丸が大好きなんだね・・・