第1章 幼少期
再び槍術を繰り出していくと、アドバイスが効いてるのか無駄な婆娑羅の量は少なくなっていく。
「どうだ?!」
「ま、このくらいか。素質はあるみたいだな」
「雹牙殿、伊勢寿丸様への助言ありがとうございます」
「いや、気にするな」
あの・・・さっきから話してるの悪いけど、伊勢寿丸さまってさ・・・
「伊勢寿丸さまは、宇都宮の?」
「あ、ご紹介が遅れました。市姫様、この方は私の主にして宇都宮の当主でございます。
私は家臣の芳賀高定」
「伊勢寿丸と言う、城は奪われたが必ず取り返す!」
「伊勢寿丸さま、その意気」
ぱちぱちと小さく拍手したら「伊勢寿丸って呼んでくれ!」って呼び捨て許可もらっちゃったお・・・
「先触れの方も城で待機されてます。お二方もどうぞ、歓迎致しますよ」
「え、城下の宿を借りようと・・・」
「尾張の姫君、気になさらないで下さい。同じ年の頃の子が来て伊勢寿丸様も喜んでますので」
「市と言ったな!ゆっくりしていってくれ」
高定さまに案内されたのは客間。ここでゆっくり過ごして欲しいと言われ。
私は黒羽と雹牙に相談を持ちかける。
ここ、忍少ないみたいだしね。
「黒羽か、雹牙。提案」
「何でしょうか」
ここで私達が出張ってしまっては宇都宮は織田に属してると思われてしまうので・・・
「今、宇都宮城を占拠してる壬生綱房・・・暗殺する事できる?」
こっそりね、と言ったら2人は考える様に頷く。
「伊勢寿丸は、大名になる器なのですね。姫様」
おバカだけど真面目でしっかり屋さんだと思うよ、私は。
「成らば今回は俺が行こう。壬生綱房に謎の死を与えた方が祟りだと思って混乱が生じるだろう」
同じ氷属性なので凍らせれば、宇都宮家の祟りだって騒ぐよね、この時代
行って来ると一言言って消えた雹牙を見送り。私は伊勢寿丸と仲良くなる為の交流でもしてきましょうか!
女中さんに案内されて着いた部屋では伊勢寿丸と高定さんが書物を読んで勉強してた
「伊勢寿丸?」
「市か!お前も一緒に学ぼうか?」
「じゃあ、お言葉に甘えて」
伊勢寿丸は少し、孫子を読んで覚えようか。将来、虎に頼ってばっかじゃだめだよ?
「市姫様は博識ですね」
「俺は考えて考えて迷うからな」
「あはは」
戦についての事を解説してたら年齢にそぐわない知識がバレました
やば、元就や晴久と話してる感覚で会話してた