第1章 幼少期
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あれ?
ちょっと目眩がして、くらくらするのを堪えその場にしゃがみこむ。
先日倒れてから頻繁に起こるけど、まだ血が足りてないんだろうか?
ご飯ちゃんと食べてるからそろそろ体調良くなってもいいんだけど。
「姫様!?大丈夫で御座いますか?」
通りかかったらしい女中さんに声を掛けられた。
「ん、大丈夫、日差しで目が眩んで、ちょっと立ちくらみ」
「そうですか、ここは日差しが強う御座います、お部屋の中へ」
「ありがと」
言い訳する理由に丁度日当たりの良いとこに居てよかった。
これならバレてないよね・・・
部屋に着いて一息ついた所で佐助が飛び込んできた。
「姫さんちょっといい?薬師関係に詳しいって聞いたんだけど」
「佐助、姫様は少しお身体が優れないんですから静かに」
「締め出すぞ」
あれ、体調隠してたはずだったのにバレバレだった件
私分かりやすいのかなー・・・
しかし、佐助も例の一件から若干気安くなったよね、吹っ切れてくれたのかな。
「どうしたの?」
「ごめんね姫さん、昌幸様がどうも熱っぽいらしくて」
「お風邪ですか?」
「大変、雹牙・・・道具の袋」
「ほら」
現代なら風邪は薬飲んで寝てれば治るけど、この時代に風邪引いたら祈祷師の出番だからね!?
漢方だけど解熱剤開発してて良かったよ、量産できないから完璧に身内用だけど。
季節の変わり目だからかな、空気が冷たくなってきたから体調崩したのかしらん
佐助に案内して貰って(私の体調は二の次です只の貧血だし!)
昌幸様が伏せっているというお部屋に入ったら、弁丸が引っ付いてきた。
弁丸、あのね?子供と言っても身長同じくらいなのよね?
10歳なんだから抱き付いてる様にしか見えないっての!
「お市どのおおおおおぉぉぉ」
「弁丸様!姫さん動けなくなってるから離してあげて下さいね!?」
「弁丸殿、お父上の治療ができんぞ」
雹牙の言葉でばっと離れて、顔を真っ赤にして元々座ってたであろう場所にいそいそと座り、頭を下げてきた。
さて、軽くしか知識無いけど診察しますか。
前世よくお医者さんに風邪で世話になってたので喉の痛みとかリンパの位置とかバッチリ把握してたので
完璧に風邪ですね、喉腫れてるよ。