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歌い手になったきっかけは“貴方”でした

第3章 これからコラボ配信します私!






「あれ…? うらたさん?」
「どうした、2人なのにその呼び方して」

「ここ同じマンションの上の階ですよ?
外に行くんじゃなかったんですか?!
もしかして、もうボケましたか?!!」


浦田に連れられて来た場所は何故か自分の住まうマンション5階から1つ上がった6階だった。
プレゼントと言うから何か奢ってくれるのかと思っていたレナにとっては、浦田に言っといて何だが自分も混乱している。


「うるさい!俺はおじいちゃんじゃないから!
歌い手界のおじいちゃんはそらるさんだけで十分!」

「そらるさんみたいなおじいちゃんだったら、私可愛がりますよ!!」
「そこ胸張って言うな!」


そんなやり取りをしながら着いた部屋は当たり前だが自分の部屋の扉と何ら変わりない、そう思うレナだった。
だが、隣に立つ浦田が妙にニヤニヤしているのが気にかかるらしく、つい浦田より半歩後ろで待機してしまう。



「(渉くんって住んでるのここじゃないよね?
さすがにそこまでは知らないから、もしかしたらここ自宅なのかも?)」

レナが浦田を見上げながら考えていると、浦田はその部屋のインターホンを押した。
もちろん、インターホンを押したということはここは彼の自宅ではないことになるため、レナは更に首を傾げる。


「渉くん、ここに一体何が… 」



ガチャ!



「あ、うらたさんいらっしゃーい!」

「 !!??? 」

「今日よろしくなー」



その何ら変哲もない扉から顔を出したのは、明るめな茶髪、くりくりした瞳、女の子のような高い声…
そう、レナが憧れて止まない“まふまふ”だった。
背が高いこともあり、かなり見上げなければならないが首の痛みなど感じない程、レナの意識はまふまふに注がれている。

恐らく1人、ぽかーんとしていることだろう。



















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