第9章 小説のようなドマラティックな音を
いつか誰しもが経験するであろう壁に私がぶち当たったのは、高校生の時…
今思えば、子役からヒロインを演じる中で私は当たり障りない演技をしてたんだと思う。
その子は私じゃなきゃ務まらない!そんな大それたこと言えるような演技じゃなかった。
当時の私には一生懸命だったかもしれないけど、周りのベテラン先輩からまだまだで… 両親や会社に後押しされる私の環境は、嫉妬されて当たり前だったんだろうな。
同時期、仕事優先だった私はたまに行く学校のクラスメイトに馴染めず孤立していた。
声優とかアニメとか、まだ偏見がある時代だったから仕事の内容を皆に言っても言わなくても孤立してたと思うな。
休みがちな私はクラスメイトにノートを見せてもらうことも出来ず先生に教えてもらいによく職員室へ行っていたけど、それも他の生徒から見たら媚びていると思われていたみたい。
相談する相手もいない私は、途端にどうしてここにいるのか、生きてる意味すらもわからなくなってしまったの。