第2章 これが今の私
実は最近の私…
“生放送”なるものを始めました!
パソコンに慣れていなかった私にはフリーソフトをああしてこうして、なんて最初はわけがわからなかったけど何とか頭に叩き込むことが出来たので、早速放送開始!って思ったら誰もコメントしてくれなくて早々に閉じてしまったのです。
そりゃ、そらるさんたちみたいにいきなり追いきれないコメントが来るなんて思ってなかったけど、まさか0とは思わなかったんだもん。
まだまだ知名度も放送の仕方も未熟なんだろうなぁ。
コメントが来た時の対応は大体考えてたんだけど、コメントが来ない状態で1人で話す内容までは考えてなかったし、1人で話すのも何だか寂しい。
そういった臨機応変の対応は勉強しないと!
「それで俺は何で呼び出されたわけ?」
「先輩にご教授頂きたいな、と思いまして!」
「ご教授、といいつつ威圧感半端ないんだけど」
この人は昔から馴染みのある渉くん。
プライベートでは“渉くん”って呼んでるけど、ネット上では“うらたさん”って呼んでる。
そう、この人が歌い手名うらたぬきさん。
結構知ってる人いるかな?
実は声優を生業にしていて、歌い手とは別の名前で活動していたんだけど、最近同一人物ということを明かしたことで更に人気になったみたい。
渉くんは“浦島坂田船”のリーダーとして、歌い手としてだけでなく生放送の経験もかなり豊富なはず!
「てなわけですよ」
「省略すんな」
「ここのお茶と今日の夜ご飯奢るから助けてよぉー」
「別に金には困ってないんだけどな」
ため息をつきながら空を見上げて黙り込む渉くん。
私も彼と同じ空に視線を向けてみる。
うん、とってもいい天気。日本晴れですね。
何か考えてくれてると信じて、私も黙り込む。
渉くんは何だかんだ優しい人で、こう頼まれたら放って置けないことを私はわかっているつもりだ。
かといって忙しい彼の負担になりたいわけではないので、これ以上話が進まなかったら私は身を引こうと思っている。
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