第6章 はじめての言葉
あの夢のような時間から早3日。
夢のような時間とは、遠い遠い存在であるまふくんとそらるさんとご対面し更にはライン交換をさせて頂いたというなんとも素晴らしい時間。
出会わせてくれた渉くんには感謝してもしきれないよ!
そして、この3日間何をしていたかと言いますと…
「あ、そらるさん!レナちゃんが踊ってみたを投稿したみたいですよ!」
「へー」
「そらるさん、興味なさすぎ…」
「むしろまふは信用しすぎ」
「そうですか?いい子そうでしたよ?」
「いい子そう、だろ?」
自分のことのように報告してくるまふまふとは反対に興味ないというより警戒心むき出しなそらる。
まふまふも彼の警戒心には自分の過去が関係していることに少なからず気づいているため強くは言えないのだ。
「レナちゃん、ダンスも歌もやってて凄いですよね」
「(作詞作曲してる奴に言われても嬉しくないだろ)」
レナの踊ってみたを観ながら、まふまふが零した言葉に心の中でツッコミを入れるそらる。
何だかんだ警戒心はあるが彼女のダンスを視界に入れているあたり、完全に興味ないというわけではないらしい。
「ダンスの曲、自分で歌えばいいのにな」
「あぁ、確かにそうですね。
踊りたい曲と歌いたい曲が違うのかな?」
「まぁどうでもいいんだけどさ」
「そらるさんはまたそう言う… 」
レナの踊ってみたには投稿されたばかりだというのに、既に何件かコメントがついていた。
それを見て少し嬉しくなるまふまふ。
しかしつい先日会ったばかりの女の子にこうも気持ちを持っていかれるというのは不思議な感覚だった。
男性と絡むことは何気に多いのだが、なかなか女性とは1歩下がって接してしまう。
実際は彼女にもそうだったのだが彼女が頑張っている姿を見ると応援したくなり、その姿を見たいとも思う程なのだ。
けれど、この気持ちは見ないふりをする。
気づいてしまったら戻れない気がするから。
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