第5章 ライン交換しませんか?
「ごめんなさい、僕たちだけで話しちゃって… 気分悪くしちゃいました?」
話しかけて来たのはまふまふだった。
目線を合わせようと気にかけてくれたのか、ソファに座る彼女より下のカーペットに座っていた。
ちょうどよくレナと目線が合う高さで、彼は緊張しているのか目線をきょろきょろと動かしている。
それがあまりにも小動物のように可愛らしく、レナは自然と笑みがこぼれていた。
「あ… 」
「… どうかしました?」
「な、なんでもないですよっ!」
「?」
まふまふのぽかん、とした表情に自分が何かやらかしたのではないかと心配になるレナ。
なんでもない、と言われてしまえば追求出来ないため引き下がるが内心気が気でない。
しかし、初対面の自分に話しかけてくれたまふまふはやはり心優しい人なのだと再確認をしたレナ。
コミュ障だとか、緊張だとかあるだろうに…
「ちなみにレナさんは好きな動物はいないんですか?」
「私ですか?」
「自分のモチーフキャラですし、好きな動物とかそらるさんみたいに食べ物でもいいと思いますよ」
「うーん、動物ならうさぎとか猫好きです!
食べ物は… あ、プチトマトが好きなんですよ」
「じゃあうさぎか猫にプチトマト持たせるとか、あはは」
「異色のコンビですね! ふふっ」
「なんかいい感じっすねー」
「うらたくん、いいの?」
「はい?なんでですか?
何度もいいますが、あいつのことは妹みたいなもんすよ」
「ふーん… 」
レナとまふまふが仲良さそうに話していることに対して、そらるは浦田に問いた。
そらるの中ではまだ浦田にとって彼女は別の意味で大切な存在なのではないか、と認識が抜けないようだ。
「あ、そうだ。 せっかくうらたさんが紹介してくれたんですし、ライン交換しませんか?」
私は自分の都合のいい耳を疑った。
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