第4章 かわいすぎる私の推しメン
「あの私、レナといいます。
大学に通いながら歌い手と踊り手をしています!
うらたさんとは以前仕事をして以来、兄のように慕っています」
さすがに自分のことなのに渉くんに言わせるわけにはいかないし、私は恐る恐る自己紹介をした。
正直そらるさんは警戒心が強いと思う。
まふくんのとある事件があってから、尚更疑ってかかるように思える。
私は今、絶対に、警戒されている!
「まぁそんなビクビクすんな。
そらるさん、まふ、こいつ悪いやつじゃないから大丈夫」
「僕は大丈夫ですよ?
うらたさんが連れてくるくらいの人ですし」
「まふは警戒心なさすぎ」
「えーそんなことないですよ!
僕も強くなりましたから大丈夫です」
「俺が旅行でいない時、泣いて通話して来た奴が何を言ってるんだか」
「なっ! そ、それはちょっと色々うまくいかなくて… 不安定になっちゃっただけでっ… 」
「まぁ頼ってくれるだけいい傾向だけど」
え、なにこれ。
ただただ可愛いだけなんだけど。
これはにやにやが止まるわけない!
ぱっと見、まふくんがそらるさんに依存しているようだけど、実際頼られて嬉しそうなそらるさんも依存してるやつだ!
ごちそうさまです。
「あー2人の世界に浸るのもいいんだが、俺達がいることも忘れないでくれー」
「別に浸ってないですー」
渉くんが茶化しつつ話を進めてくれた。
そらるさんとまふくんに会わせてくれたのはただ単に本当に私へのご褒美。
社会への不安を覚え将来何をしていくか希望を失っていた私が救われたのは、誰でもないAfter the Rainの存在。
もちろん、まふくんが作る楽曲もそらるさんが仕上げる音も彼らの歌声も、今の私にはなくてはならない希望なのだ。
今の私がいるのは、そんな彼らや面倒を見てくれた渉くんのおかげだと思っている。
「だから、2人に会ったら見えてくるものがあるんじゃないかなーって思ったわけ。
そらるさんとまふには何のメリットもないけど、俺の妹だからさ、よろしくな」
「渉くん、本当にいい人… 」
私、感動しちゃったよ!
渉くんかっこいい!
もう小さいとか言わないからね!
私のボルテージは最大にまで回復し、更には最大HPが増えた気がするよ!
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