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歌い手になったきっかけは“貴方”でした

第4章 かわいすぎる私の推しメン













「やっぱり猫でしょ!」

「俺はリスだと思うけどな」

「いやいや、俺は付き合い長いからわかる! 犬だ!」




「……… 。」










ここから見ると彼らが何かの話題に対して言い争っているということはわかる。
恐らく離れた所で沈黙している彼女を察するにその話題とやらは彼女に関係したものなのだろう。

しかし男3人に割って入る勇気は今の彼女にはなく、そのやり取りが完結するのをただただ待つしかなかった。





「大体、今日初めて会ったお前らにこいつの何がわかるっていうんだ、まったく」

「えーうらたくんがそこまで熱くなるなんて、この子のこと好きなの?」

「そ、そらるさん!本人の目の前でそれはっ… 」







主人公side


えーと、何やら会話がだだもれ…
これは私を動物に例えたらって話ですかね?

しかも渉くんが熱く語るというとこで、そらるさんが何やらにやにやしているんですが…

あーしかし、まふくんは優しいなぁ。
えぇ私しっかり聞いてますとも。
同じ部屋にいるんですから、聞こえちゃうもんは仕方ないですよねー



これは少し時間を遡った方がいいかなー
















私がパニック状態のまま渉くんに引っ張られるような形で部屋のリビングへと足を踏み入れた。
なんて小説のように語ってみる。

目の前にはマスクをしていない素のそらるさんとまふくんがいて、正直最高にかっこいい!
そんなこと口に出したら追い出されそうなので、私は必死ににやけそうな口をきゅっと閉めた。

渉くんに諭されリビングのソファに腰をかけると、目の前のテーブルに紅茶の入ったマグカップが置かれた。
置いた人物を見上げるとその人はまふくんで、笑ってはいるけどそれが作り笑顔だと私は気づいてしまった。

お礼を言うだけで精一杯だった私はそれを口にすることはなかったけど、真っ直ぐ彼を見れなくなるどころかまふくんを大事にしているであろうそらるさんとも目を合わせるのが怖いと思った。



「こいつのこと協力してくれてありがとな」
「うらたさんがお願いなんて珍しいから、僕達も出来ることをしたかったんですよ」

「まふはほんとに良い奴だなー」

「で、うらたくんはその子とどういう関係なの?」














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