第4章 【キスミー番外編】。❅°.【轟生誕祭2018】
「ゆりな、早くプレゼントくれねぇか?」
『…う』
私は壁に押し付けられた状態で
目の前の左右色の違う綺麗な瞳と向き合っていた
けれど、あまりにまっすぐ注がれる視線に
目をそらす
人通りが少ないとはいえ、やっぱり少しは
人がいて
階段上で壁ドンされている普通科女と
ヒーロー科の有名人は
きっと…たぶん…
割と目立ったと思う
『今…じゃない方が…
ほら、後からでも、ね?』
ヘラっと笑ってごまかして見るけれど
焦凍は首を横に振る
「今欲しい」
『………』
交渉不成立
確かに、言い出したのは私だ
でも、まさかプレゼントがこんなものになるなんて思ってもいなくて
『……好き』
言った途端に赤くなっていく頬を
ゆりなはパッと手で隠す
焦凍は満足そうに微笑んでくれているけれど
これでは1日持ちそうにない