第26章 【キスミー番外編】9.5章
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「帰んぞ」
普通科の教室の前、毎日同じ時間に迎えに来る男の声。
『あ、うん!
またね、みんな』
ピョコッと立ち上がり、手を振る彼女の頬はほんのり染まり
並んで廊下をそぞろ歩く2人の後ろ姿は、何とも微笑ましい距離感だった。
「今日は適当にブラつくか」
『え…?』
こちらを見上げるゆりなの瞳が不安に揺れる。
そして少し、苦笑った。
『勝己の家は、ダメなの?』
「あぁ、今日はババアが居ねぇから」
流石に二人きりになって、理性を抑えられる自信はない。
とはいえ、学生に行ける場所など限られていて、爆豪はぼんやりと行き先を考えた。