第19章 So Cute!
遅刻しそうになって、廊下を走っていると、後から声をかけられて振り向いた。
「口付、廊下を走るなコケるぞ」
『あ、相澤先生…!』
振り返った時、思わず足がもつれて、つんのめった。
忠告通りコケそうになった私を、相澤先生が支えてくれる。
「言わんこっちゃない」
『ご、ごめんなさい…』
「本当に、お前はかわいいな」
相澤先生は私の頭をポンポンと叩いて教室に入っていった。
私も急いで教室に入って席に着く。
「お、おはよう…口付さん」
席に着くと、隣の席の緑谷くんがヒソヒソ挨拶してくれる。
『おはよう』
私も小声で挨拶すると、緑谷くんは顔を真っ赤にして俯いた。
「きょ…きょ、今日も…かわいいね…」
そして、消え入りそうな声で一生懸命言ってくれて
私は思わず、吹き出してしまった。
相澤先生がこちらをジロリと見てくる。
「緑谷、口付、話すなら後にしろ」
「す、すみません」
『はーい』
注意される私を斜め前の爆豪くんが睨んだ。
ホームルームが終わると、爆豪くんが私の目の前にやって来て
思いっきり机に足を乗せ、見下してくる。