第18章 【夜シリーズ】イロコイ3【轟焦凍】
ゆりなさんはクソ親父の客だった人だ。
やり手のIT会社女社長。
彼女が夜の遊びを覚えたのがここ、ホストクラブyuuei…
その時の相手が俺の父親、轟炎司だ。
当時まだ未成年だったゆりなさんは、No.2で伸び悩む親父を支え続けたが…。
結局、伝説の夜王オールマイトが立ち塞がり続け、その野心は実ること無かった。
No.1になれなかった親父は
一度、歌舞伎町の彼女の前から姿を消し…
俺を連れて、帰ってきた。
俺を、yuueiのNo.1にするために…
オールマイトを超える、新たな夜王にするために…
俺が歌舞伎町に来たのは18の頃。
その為に、教育係として宛てがわれたのが、この女性…ゆりなさん。
俺にホストの何たるかを教えてくれた人だ。
彼女の教育の甲斐あって、
俺は入店一ヶ月でNo. 1になり、未だその場を誰にも譲っていない…。
ホストになる為に作られ、ホストになるべく育てられた。
俺に継がせる為だと言いながら作った店舗は10件以上…
親父は、ホストの覇道を歩ませるとかなんとか言っていたが
あの店がアイツの夢の全てだと言うなら、
俺がすべて潰してやる…。
結局のところ俺は、ただ、あいつの店を潰す…
その為だけにホストをしている。