第18章 【夜シリーズ】イロコイ3【轟焦凍】
彼女はジョーカーだ。
現れて俺の隣に座るのは10分
使う金は桁違い
ふらっと現れ、短時間で大金を落とす予測不能の切り札…
ジョーカーの異名はそこから来ている。
『どうしたの?焦凍。
お客様の前で上の空なんてだめよ』
細い指が俺のおでこをつつく
まるで弟か近所のガキをたしなめるみたいに…
「ガキ扱いするのはやめてくれ」
その指を払うと彼女は艶っぽく笑う。
『私からしたらまだまだ子供だけれどね』
彼女が俺の隣に座って5分。
グラスにはまだ水滴も生まれていないし、開けたばかりのボトルは全く水位を減らしていない。
というのに、彼女はボーイを呼びつけようとする。