第13章 【キスミーベイビー】ギブミーベイビー【番外編】
『砂藤くん、お菓子作れるのすごいなぁ』
「そ、そうか…?」
真っ赤に頬を染めて照れる砂藤にゆりなはうんうん!と頷く。
「でも、男のくせにってよく言われるけどな。カッコわりーって」
『そんなことないよ!
パティシエさんだって男の人多いし、お菓子作れるのカッコいいよ?』
ゆりなの発した一言に2人の目つきは変わったのが12月のクリスマスの事…
あれから3ヶ月以上が経った、今日は3/13日。
轟と爆豪は立ったまま動けなくなること約5分間。
両手に下げたスーパーの袋をお互いに見ると、先に動きを取り戻した轟は「爆豪も作んのか?」と目の前の男に問いかける。
「作りまくるわ、退けろ」
「お」
爆豪は不機嫌そうに鼻を鳴らすと、作業台の上に次々と材料をのせていく。
轟も少ししてから、向かい合うように作業台の対面に立つと、材料を広げ始めた。
砂糖、…卵にホイップやイチゴ、チョコレートに生クリーム、牛乳
そして、なぜかが蕎麦粉が並ぶ
(まさかこいつも菓子が作れるんか…読みが外れたじゃねぇか)
爆豪は卵を見つめる轟を盗み見ながら、チョコレートとバターを刻み、湯煎し始めた。
林間学校でカレーを作った際、轟に対して料理等々はできない印象を受けていたため、ゆりなへのホワイトデーのお返しに手作りを渡すのは自分だけだと踏んでいたのだ。