第11章 ポイントカードはお持ちですか?【モブリット】
「おい…モブリット、てめぇ
店サボって女とイチャつくたぁいい度胸じゃねぇか」
「り、リヴァイシェフ!す、すみません」
リヴァイシェフと呼ばれた男は怪訝そうにこちらを一度見て踵を返し、店に戻っていった。
「す、すみません
店戻らなきゃ…あの、後で電話するんで番号…あ、ケータイ店だ…」
ワタワタと焦るモブリットさんに、私はポイントカードを差し出す
『ここに、電話番号かいてあるんで
あ、後でこれ返してくださいね?ポイントためてるから』
「あ…はい、ありがとうございます」
モブリットさんは、渡したカードを丁寧にポケットに入れて、もう1度私を抱きしめ耳元で「じゃあ、またあとで」と甘い声を残し、去っていった。
熱を持った耳を抑えて、私も小走りで会社に戻る
別に時間が無いわけじゃない
ただ、走らないと、どうしようもないくらい気持ちが高鳴ってしまっていた。
✯ℋᵅᵖᵖᵞ ℬⁱʳᵗᑋᵈᵃᵞ✯for you
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