第2章 【爆豪勝己】甘い香り【R指定】
はじめてあったのは、入学初日の電車の中
あの男…怪しいな
満員電車の中、息を荒々しくして立っている男が1人
注意して見ると、でかい図体に隠すように女の尻をさわってやがる
そのクソ痴漢男の手を掴んでひねり上げる
「おい、てめぇダセェ事してんじゃねぇぞ!あ゛?」
「ひぃ!痛てぇ!」
触られていた女は目にいっぱい涙を溜めていて
『………!』
何も言わずただ、頭をペコリと下げて
ちょうど開いた扉から走って行っちまった
ただ目が合っただけなのに、俺は金縛りにあったみてぇに動けなくなって
爆豪「………今の」
男A「おい!今のってまさか」
男B「お、やっぱそうだよな!!!」
雄英の制服を着た男2人がやけに盛り上がる
爆豪「んだよ、あの女誰だよ知り合いか?」
男A「え?知らねぇの?!」
男B「今の子、口付ゆりなだよ!
名前くらい聞いたことあるだろ?」
爆豪「…知らねぇ」
男A「日本一有名な中学生!
トップアイドルだぞ?…あぁ、だったって方が正しいか?」
爆豪「アイドル?」
男B「突然中学1年の時に現れて、デビュー翌月にはNo.1
なのに、去年いきなり辞めたんだよ
あれ雄英の制服だったよな
まさか同じ学校とは…雄英すげぇ」
男A「そりゃ普通に通学してたら狙われるな…」
爆豪「…」
二人がさっきの女がどれだけすごいアイドルだったかを熱く説明してくる
そんな事はどうでもよくて
それよりもさっきの全身がゾワッとする感覚…
その正体が気になっていた