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【雑多作品置き場】short story

第8章 【現パロシリーズ】にじり口【轟焦凍】




麻酔を打ち込まれたように鈍る頭で
轟先生の柔らかなキスの雨に降られていた。

キスの途中で、抜かないまま硬さを取り戻した肉棒が
私の中をかき回す。



「ッア…ゆりな…ゆりな」



私を掻き抱くこの男は


狂ってる。




綺麗な顔をして、その唇にたっぷりの毒薬を含んでいる


吐き出される言葉は黒魔術


私は生贄の蛙みたいに
机に押し付けられて視線という名の標本針を差し込まれて



『あっ…せんせ…もっ…』


喘ぐことしか出来ない呪いにかかったのかしら



轟先生の、傷ついたことのないような細く長い指が
髪を梳くように撫でる。


「好きだ…」


『…先生』


先生、どうかしてます。





こんなのが愛だって言うんですか?



そっと左手を持ち上げて
紅蓮の髪の下にある火傷の跡に触れた。

ほんの少しだけ、ボコボコしているけれど
痛くないのだろうか



「…気になるか?」

『少し』



「母にかけられたんだ
煮え湯を」



『え…』


思わず強ばった手を引っ込めようとすると、轟先生に捕まえられた。


「この話は…今度またしてやる
だから今は、俺に愛を教えてくれ」


『そんな…ァんっ』


教えられる愛なんて私自身知らないのだ
ただ、ひとつ分かっているのは
轟先生のこの行為は愛による行為ではない

じゃあ何なの?と聞かれても、困るのだけれど。






徐々に硬さを増して膨らむ充血の滾りに
私の思考は払い落とされて
目の前の男にしがみつくことしか出来なくなる。


ヨレた着物のあいだから覗く鎖骨に口を押し当てて
喘ぎ声を押し込んだ。


「…ハァ…っあ…」

頭の上で何度が漏れる声を聞きながら、
同時に果てた。







肩で息をしながら、轟先生は重く私にのしかかってくる。

その時、どこかで何かが、ゴトンと大きな音を立てて床に落ちた。





















「ゆりな…?」
















聞こえてきた机を揺らすような声は











轟先生のものではなかった。





















finーーー
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