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【FF7 ヴィンセント BL】星の旅

第1章 ニブルヘイム、新参の二人


「すごい、必死だね」
ふふっ、と笑いながら、リオがクラウドを上目遣いに見た。
親しみを込めた眼差しに、どきりとして、慌ててヴィンセントに向き直る。
「…まあ、そういうことなら」
ティファも頷き、四人になった一行は屋敷を後にした。

* * *

みんな集まってくれ、とクラウドが声を掛け、旅の一行はバギーの周りに集合した。
クラウドとティファの他に、エアリス、バレット、ナナキ、ケット・シー、ユフィ。新参の二人を加えると九人になる。
「おう、新顔だな…なんだ、こんなガキを連れてくのか?」
ヴィンセント、次いでリオに目を向けたバレットが眉を顰める。
「リオだよ。よろしくね」
「…ヴィンセントだ」
悪気は無いのに横柄な印象を与えるバレットを制し、クラウドがリーダーらしく紹介をする。
「リオは鞭の手練れだ。マテリアの扱いにも慣れていて、充分戦力になる。ええと…一人旅をしているんだったか、」
「うん、世界を見て回りたいなって。でもやっぱり人恋しいっていうか。仲良くしてほしいな」
小首を傾げて笑顔を振り撒くと、誰もが一瞬目を奪われる。
「…フン、うろちょろしてっとケガすんぞ」
そういえばマリンはどうしてっかな、などとぶつぶつ言いながらバレットは目を逸らした。リオの綺麗に弧を描いた紅い唇が、目に毒、のように感じられたのだ。
「おっ、イイね〜! あとでマテリア見せてよ!」
ユフィが目を輝かせ、リオはややあって、曖昧に笑った。
「リオってすごくいいニオイ…」
「ふふっ、くすぐったいよ、」
ふらふらとリオに近付いて行ったナナキがリオの太腿の裏に鼻先を擦り付け、さすがにエアリスに窘められる。
その様子をクラウドとバレットは凝視していたが、先にクラウドが我に返り、ごほん、と咳払いをした。
「ヴィンセントは、元、タークスだ」
紹介されて、こくり…と頷き、彼自身はそれ以上の自己紹介もしなかったが、仲間達からの矢継ぎ早の質問にクラウドとティファが応じた。
「元タークスですかあ…」
ケット・シーが呟き、
「お前、武器は?」
とバレットが尋ねて、ヴィンセントは無言でマントを捲り、腰のホルスターをちらりと見せた。
リオとは対照的な愛想の無さだ。
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