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【FF7 ヴィンセント BL】星の旅

第1章 ニブルヘイム、新参の二人


白い光に包まれた傷が癒え、ティファが息をついた。
「ありがとう、リオ」
「どういたしまして」
「マテリア持ってたんだな、…良かった」
クラウドも安堵の表情を見せる。
「ん、あいつに効いてラッキーだった」
そして三人は金庫の中に地下室の鍵を見付けた。

螺旋階段を降り、冷たい岩肌が剥き出しの地下通路を進む。
冷え切った重い扉を開けると、そこは小部屋だった。
「きゃ…ここ……」
所狭しと置かれた棺に、一体ずつ、白骨が収まっている。
「…人骨、か…?」
ティファを庇うように、クラウドが前へ出て視線を走らせる。
「ーーあの中、かも」
ふと、リオが正面の棺を指差した。
その棺だけ、ぴっちりと蓋が閉まっている。
「…よし、」
クラウドが一歩、その棺へと近付く。
「…私を悪夢から呼び起こすのは…」
がたり、と棺の蓋が揺れた。三人は思わず後退る。
「…誰だッ!」
蓋が内側から吹き飛ばされ、中から浮き上がった赤いものがくるりと翻る。それはふわりと地に降りた。
赤い色は、男が纏う深紅のマントだった。胸から口元にも届く程のそれをばさりと引き寄せ、目深に巻いた同じ色のバンダナの下から、鋭く赫い眼が三人を一瞥する。
「見知らぬ顔か。出ていってもらおうか」
「ええ〜っ」
ここまで来るのに結構苦労したんですけど、と不満気に、リオが片手を腰に当てた。
「っていうか、もしかして棺桶で寝てた?」
「フッ……悪夢に魘される長き眠りこそ、私に与えられた償いの時間」
三人は揃ってゆっくりと首を傾げた。
「他人に話すようなことではない。ここから出ていけ。ここは悪夢の始まりの場所だ」
男は拒絶を露わにしたが、言葉尻にクラウドが同意した。
「そうだな…悪夢の始まりの場所だ…」
「おや? 何を知っているのだ?」
男は興味を惹かれたようだ。
リオとティファもクラウドを見る。
「全てここから始まった…ジェノバ・プロジェクト…セフィロス…」
「セフィロスだと?! セフィロスを知っているのか?」
赤マントの男が食い付いてきたことに、クラウドも驚く。
「あんたこそ何か知っているのか?」
「君から話したまえ」
クラウドは溜め息を吐いたが、食い入るような男の気迫に押され、話し始めた。
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