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【FF7 ヴィンセント BL】星の旅

第1章 ニブルヘイム、新参の二人


* * *

三人は遭遇するモンスターを片付けながら数字を揃え、金庫の前へとやって来た。
「リオの鞭捌き、かっこいいね!」
「そうだな…見事だ」
ティファの賛辞にクラウドも同意する。
「ありがと。でも、二人の方こそ強いと思うけど」
「さて…それじゃ、ダイヤルを回すぞ」
二人が頷き、クラウドがダイヤルを回す。
4つ目の数字を合わせ、カチリ、と音がした瞬間、三人の眼前に巨大なモンスターが出現した。不意打ちを食らった形になった三人は、しかし即座に各々の武器を構える。
「こんなの仕込んどくなんて、あの手紙のヤツ、最低」
リオが鞭で床を叩き、モンスターを牽制しながら文句を言う。
「やるしか無いわね!」
「俺が…やる!」
大剣を水平に構えたクラウドが、一瞬でモンスターの懐に飛び込み、深く突き刺した剣をそのままに、真上へと斬り上げた。
モンスターが呻いてもんどりうつ。
そのままぶるぶる震えたかと思うと、次の瞬間、
「…脱皮?!」
モンスターは傷を負いながらも、派手な外殻を脱ぎ払い真っ青な姿へと変わり、吼えた。
「くっ、」
ティファがラッシュからコンボを叩き込み、リオも追い込むように縦横に鞭を振るう。
が、
「…硬い…っ」
硬質な皮膚へと変化したモンスターには、打撃が効きにくくなっているようだった。
吼えながら殴り掛かって来た巨体に、避け切れなかったティファが攻撃を受ける。加えられた衝撃の強さに、そのまま後方へと吹き飛ばされた。
「ぐ…っあ、」
「ティファ!!」
まずい、こんな強敵とは--。
クラウドが焦りを感じたその時、
「…この地に眠る…の火……起きろ、裁く! ファイガ!」
リオの強い聲と共に、モンスターが焔に包まれた。
打撃とは対照的に、魔法は非常に効いているようだ。
踠き伸ばす触手も劫火に絡め取られてゆく。
断末魔の叫び声を残し、モンスターは闇へ溶けた。
リオとクラウドは蹲るティファの元へと駆け寄る。
「治すよ」
リオは今度はそう言うと、口の中で小さくまじないを唱えた。
「清らか………の風、舞え…………傷…癒せ。ケアルラ…」
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