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【FF7 ヴィンセント BL】星の旅

第1章 ニブルヘイム、新参の二人


* * *

「僕も、ここに住んでる訳じゃない。二日前にこの村に着いて、ここで寝床を借りてるだけ。…このガウンもね」
少女に見えた少年は、そう言って笑った。
(………男、だったのか)
ガウンの襟元から覗く平らな胸を横目に、クラウドは初めに抱いたイメージを修正した。
(でも………)
ちらちらと少年に目を走らせる。
華奢な躰つき。透き通るような肌。
銀色の長い睫毛に縁取られた、煌めく睛はやはり銀色だ。こんな色の睛を見たことが無い…。
それに、濡れたように艶々とした紅い唇、、、
(ダメだ、なに考えてるんだ俺)
「そっか、じゃあ…この村の五年前のこととか、知らないのね?」
「んー、知らないなあ」
あ、でも、と、少年はソファから立ち上がり、テーブルの上のウエストポーチを手に取った。少年の持ち物のようだ。
「昨日、これを見付けたんだよね」
そう言ってポーチから取り出した紙片をクラウド達に見せた。
「これは…」
その手紙には、“生体学的な改造”を施した男を地下に眠らせた、と書かれていた。興味があれば探してみろ、とある。
「ゲームって書いてあるけど…」
ティファが不信と不快を表す。少年が頷いた。
「誰か閉じ込められてるのかな、ってね」
「…探してみよう」
クラウドが言い、二人は大きく頷いた。
「あ、僕、ちょっと着替えるよ」
これ、寝巻きだから、と少年は笑って、椅子に掛けていた服を手に続きの部屋へ一人入って行った。残された二人は顔を見合わせる。
「…物凄く、綺麗な子ね。ドキドキしちゃった」
先に口を開いたのはやはりティファだ。
クラウドは内心の動揺を押し隠して、肩を竦めた。
「そうか? …興味無いな」
「ふふっ、そうなの?」
ティファは少し嬉しそうに笑った。

着替えて現れた少年は、先程よりも、生身の人間らしい身なりになっていた。
グレーのショートパンツに、膝まで覆う黒いブーツ。革のジャケットもグレーで、その下に着ている黒色はタンクトップだろうか。
先程まで自由にしていた髪は、ざっくり編んで首元で纏めていた。
「リオって呼んでよ」
「クラウドだ」
「ティファよ」
名乗り合った三人は、再び紙片を広げる。
「えーと…謎々みたいね…」
「そうだな、まずは…」
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