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【FF7 ヴィンセント BL】星の旅

第4章 ウータイ、盗めない宝石


「ほひ〜! やっと新しいおなごが手に入ったぞ〜!」
クラウド達に気付いているのかいないのか、コルネオは大きく開いた両手をワキワキと動かしながら叫ぶ。
その珍妙な様子に、リオとヴィンセントが一歩引いた。
「一度に二人も! ほひ〜ほひ〜!」
「ふたり!?」
見ると、更に奥の階段で、別の大男に同じように担がれたイリーナの姿があった。
「コ……コラ、離しなさい! 後で後悔するわよ!!」
「ほひ、ほひ! ほひひ〜〜〜!!」
コルネオの一味は、どたどたと階段を上って行った。

慌てて追ったクラウド達は、同じくコルネオを追って突入してきた神羅兵たちに斬りかかられ、どさくさの戦闘ののち、気付けばコルネオ一味の姿は無かった。
「ああっ、も〜……、てか、何なのあいつ?」
苛立ちを滲ませてクラウドに問うリオに、ヴィンセントも目を向ける。
「あの男は……」
クラウドは二人に、コルネオとの因縁を掻い摘んで話した。
「じゃ、ユフィとイリーナが捕まったのは、そういうこと、」
リオが眉を顰め、ヴィンセントも不快そうに溜息を吐いた。
「だろうな。……変わらないヤツだ」
クラウドは頷いた。
因みに、その一件で自分が女装したことは言わなかった。
自分の中では、アレは無かったことになっている。
ふと、リオが女装をしたら…、などと不埒な思い付きが頭を擡げて、僅かな興奮と自己嫌悪を感じた。

建物を出たところで、今度はタークスの赤髪とスキンヘッドと鉢合わせた。
僅かに息を切らせた三人を一瞥して、レノが呟く。
「フン、コルネオの奴、相変わらず逃げ足だけは大したものだ、と」
ルードは眉間に皺を刻み、重く一言だけ。
「……イリーナ」
「行こうぜ、ルード。タークスの仕事、奴にじっくり見せてやろう」
レノは左手に持ったナイトロッドで、トントン、と自分の左肩を叩いた。
「……と、言いたいところだが」
そして三人へと向き直る。
「イリーナが向こうの手に渡ったとなるとちょっと厄介だぞ、と」
「そこで……と」
クラウドが頷きを返す。
「……いいだろう。こちらもユフィをコルネオに攫われた。ユフィが居ないとマテリアも取り戻せない」
共闘への譲歩を見せたとも取れるクラウドの言葉を、レノが遮る。
「勘違いするなよ、と」
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