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【FF7 ヴィンセント BL】星の旅

第4章 ウータイ、盗めない宝石


浅瀬を進み、西の大陸の南端に上陸した一行は、道なりに北へと歩み始めた。
「ったく、辺鄙な土地だな。細長えし、モンスターも変ちくりんな奴ばっかだしよ!」
シドが煙草を噛みながら、倒したばかりの巨大なモンスター、アダマンタイマイの甲羅を槍でがんがんと叩く。
「神羅もセフィロスを追ってるんだ。急ごう」
促すクラウドに、
「ほんとにこっちでいいのかな?」
リオが首を傾げる。
「いや、それは……」
クラウドが口籠もり、ややあって、全員がユフィを見る。
「合ってる合ってる! こっちで合ってるって!」
両手で大きなマルを作りながら、さ、行こ行こ〜、と先へ進み始めるユフィに、一行はなんのかんのと言いながら続く。

「いたぞ!」
吊り橋の手前へと差し掛かった時だった。
大きな声がして、振り向くと神羅兵の姿があった。
「は? なんで…」
次いで横からも神羅兵が現れ、クラウドが剣を抜いた。
「………ユフィ?」
ティファも構えながら、怪訝な顔をユフィに向ける。何しろ、ユフィにはパーティに加わる時に散々手こずらされたのだ。
「ち、違う違う! これはアタシとは関係ないって!」
「これ"は"? "は"って何だよ! お前やっぱり何か企んで…」
ユフィに詰め寄る一行とは別に、神羅兵も仲間内で小声を交わす。
「おい…違うぞ、"ヤツ"じゃない…」
「こいつら、例の……ど、どうする、」
「いい、構わん! やってしまえ!!」
言うなり一人が催涙ガスを噴射し、戦闘へと雪崩れ込む。
ソルジャーではない神羅兵は、大した敵ではない。
通常ならば。

催涙ガスをもろに浴びて視界がゼロになったティファに、クラウドが先ずはエスナを唱えようとした。が、
「ん…? あ、あ??」
もたつく青年を横目に、何やってんでぇ、とシドが、召喚魔法で敵を一掃しようとした。が、こちらも。
「……おおお?」
何やらごそごそもたもたし始めた面々に、リオが、どしたの、と首を傾げながら前へ出る。
「創世の火を抱く、灼熱の王…… 灰塵に帰せ! イフリート!」
少年の求めに応じて現れた召喚獣が神羅兵に大打撃を与え、何人かが単純攻撃を加えて倒した。
「…おい……」
ヴィンセントが辺りへ目を走らせながらクラウドへ声を掛け、リーダーの青年もおもむろに渋い顔をした。
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