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【FF7 ヴィンセント BL】星の旅

第1章 ニブルヘイム、新参の二人


セフィロスを追うクラウド一行は、ニブルヘイムの村へ到達した。
五年前に燃えた筈の村。
そんな出来事は無かったと言う住人達。
喉に痞えるような不気味さを飲み下せぬまま、クラウドとティファは村の最奥に構える神羅屋敷の錆びた門を潜った。

「…モンスターが棲み着いてるな」
クラウドが眉を顰めながら、斬り捨てた双頭のモンスターが闇に溶けるのを目で追う。
「………ね、クラウド」
すぐ後ろを進んでいたティファが、躊躇いがちに呼んだ。
「どうした、ティファ」
「………………あれって…」
ティファが不安げな顔で、二階の廊下に視線を移す。
「………………」
追って見上げたクラウドは、ゆっくり唾を飲んだ。
人影があった。
…人形? ……幽霊? ………生きているのか?
その数瞬のあいだ、クラウドは目まぐるしく可能性を探す。
わからない。しかし美し過ぎる。その妖しさに恐怖すら感じる。
それは人間の少女のように見えた。それが間違いでなければ十五、六歳…だろうか。長い銀色の髪。絹のガウンを羽織っている。
吹き抜けの手摺に両肘を乗せ、頬杖をついてこちらを…見ていた。
艶を帯びた紅い唇。瞳は…銀色に見える。
しかし美し過ぎる。
背に負った大剣に手を伸ばしかけた時、“それ”は首を傾げてにこりと笑った。
「いらっしゃい」
張り詰めていた空気が緩んだ。
「あっ…」
思わず、といった風にティファが声を上げる。
「あっ、ごめんなさい、びっくりして…ちょっとびっくりしちゃって……ごめんなさい、誰も居ないと思っていたの」
どうやら生身の人間だったことに安堵したティファが、少女を安心させるように手を振る。
クラウドも詰めていた息を吐いた。
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