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【FF7 ヴィンセント BL】星の旅

第3章 ロケット村、渇望


ヴィンセントは冷静になろうとした。
リオの様子がおかしい。
まるで、
「………………」
タークス時代の暗い記憶が呼び覚まされる。
まるで、媚薬をやって、発情しているようだ、と。
そう気付いて、反射的にテントの方を振り返る。まさか。
「ヴィンセ…違うの、僕が……こう、いう、躰…なんだ、」
リオは詰まりながらも、まともに喋ろうと努めた。
「…ごめ、放っといて…、」
そう言われても、こんな息も絶え絶え、というような状態で、放り出せるヴィンセントではない。
どうすれば良いのか。どうすれば苦痛を除いてやれるか。

ーべつに、怪我や病気じゃない、抱いてやれば楽になる

自分にタークスの暗い部分の仕事を教えた男の言葉が蘇る。
そうして、仕事の一環で男を抱いたこともあった。
どうすれば熱を解放してやれるか、も知っている。

だが、それはこの少年を辱め、この呪われた身で穢すことだ。
「リオ、……私は、気にしないから…リオも気にしなくていい。…一人で、できるか?」
努めて落ち着いた声で話し掛け、リオの右手をそっとリオ自身の腹の辺りに誘導してやる。
だが、リオは自嘲するように笑った。
「ごめ…ダメなの、僕……誰かに、触れるんじゃ、ないと……」
ヴィンセントの混乱は、次の一言でピークに達する。
「そゆ……種族、だから」
「なに…?」
「…っあ、……ゆ、び、……指、でい…から」
リオのしっとりと汗ばんだ喉が鳴り、紅く濡れた唇から舌が覗いた。
指でいいのか。
ただ指を咥えさせれば、いいのか。
それで目の前の、飢えたように苦しげな少年は、楽になるのか?
ヴィンセントは躊躇いながら、右手の革手袋を外した。長く骨ばった指先を、リオに差し出す。
途端に、唾液に濡れた舌が絡み付いて来た。
「あふ……ん…っ、」
うっとりと舐め回し、吸い付く唇の柔らかさを、ヴィンセントは必死で意識から締め出そうとした。
「……だめ、…感じて、僕の、なか」
それも条件なのか?
ヴィンセントは苦し紛れに、差し入れた指先を更に突っ込んだ。
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